ストライダーは「ペダルなし自転車」というジャンルの子供用の乗り物ですが、自転車と認められる機能が付いていません。
そのため、公道を走ることができないので、正式なカテゴリーは玩具=おもちゃです。
おもちゃと言えば大手チェーンである「トイザらス」ですが、ストライダーは取り扱っていません。
しかし、口コミで「ストライダーをトイザらスで買った」と広まっているようです。
その理由は一体なぜなのでしょうか?
検証してみましょう。
トイザらスがストライダーを取り扱わない理由
ストライダーはペダルなし自転車の中で、累計販売台数200万台を突破している世界一のシェアを誇るものです。
そのため、認識がストライダー=ペダルなし自転車になっているとことがあり、これが冒頭でお話しした口コミの間違いに繋がっているのです。
トイザらスにもペダルなし自転車はありますが、これはトイザらスが独自で立ち上げている子供自転車用ブランド「AVIGO(アヴィゴ)」であり、ストライダーとは別物です。
このことから、トイザらスがストライダーを扱わない理由は、AVIGOの存在に他ならないということです。
ストライダーはアメリカのメーカーですが、日本での展開は「ストライダー・ジャパン」が行っています。
「日本正規品」として販売しているのは、アメリカ本社の製品をストライダー・ジャパンが日本人のお子さん向けにアレンジしているものです。
また、販売の管理も厳しく、大手スポーツチェーンやデパートなど限られた店舗でしか販売していません。
通販も行っていますが、アマゾンと楽天市場のみの展開です。
そして、実店舗でも通販でも値引きは一切行われず、どこで購入しても同じ価格になります。
口コミが伝える「ストライダー=ペダルなし自転車」が生んだ勘違い
ネット社会である現代において口コミの影響力の高さは多くの人が知るところであり、一つの広告媒体として考えている企業も多くあります。
以前であれば芸能人やスポーツ選手など、社会的に影響力の強い人の発言などが広く拡散したものですが、今はSNSの普及でちまたの噂程度でもすぐに広がっていきます。
「トイザらスでストライダーを購入した」と誰かがつぶやけば、真偽はともかくとして信じる方もいます。
前項でもお話ししましたが、ペダルなし自転車=ストライダーという認識が多いという方は多いでしょう。
ストライダーのことをあまり理解していなかった筆者の友人の話になりますが、周りのお子さんも多く乗っているという理由でペダルなし自転車をお子さんに購入してあげることになりました。
この友人はあまり深く考えずに行動するタイプなので、とりあえず「ストライダーはトイザらスにある」という口コミを信じ、トイザらスで購入しました。
その結果、後日当然ながら違うものだと分かり、後悔してしまったのです。
これは、この友人の性格が災いしている話なので一概には言えませんが、こういったこともあるので、ちゃんとした情報が欲しいというところでもあります。
トイザらスの「AVIGO(アヴィゴ)」が劣っているわけではない
前項でお話しした筆者の友人の話で、後悔していたというのは、性能が劣るという意味ではありません。
実際にトイザらスで購入したペダルなし自転車に何の落ち度もなく、この記事を書くに当たり友人に確認したところ、今は下のお子さんがまだ乗り続けていると言っていました。
では、なぜ後悔していたのかというと、ストライダーはコミュニティができ上がっており、大会やイベントが多く存在します。
そして、それは他のペダルなし自転車では参加できず、ストライダーのみが参加を許されているのです。
また、ストライダーにはカラーパーツを始めとする多くのオプションがあり、カスタマイズが楽しめます。
ストライダー社はストライダー専業ですから、こういった面で優位なのは確かです。
そのため、友人はお子さんを大会に出してあげたいという要望があったので、下のお子さんに譲る段階で、上のお子さん用にストライダーを購入したそうです。
これは極端な例かもしれませんが、口コミを信じ過ぎるとこんなこともあるという事例としては、大いに参考になるのではと思います。
ストライダーに口コミで広まった「並行輸入品」が売れた時期があった
冒頭でも触れましたが、日本でのストライダーの展開は、ストライダー・ジャパンによる「日本正規品」になります。
そして、しつこいようですがもう一度だけ、トイザらスでは販売していないことを強調しておきます。
正規販売店で正規品を購入するのがストライダーの正しい方法ですが、「並行輸入品」というものも出回っています。
これはストライダー・ジャパンとは無関係の第三者が、海外でストライダーを購入(仕入)して、日本に持ち込んで販売しているというものです。
1970年代には合法とされた歴史のある取引ですし、為替の値動きによっては大きな利益が期待できるので、割と多く用いられる手法です。
現在は為替の関係でかなり高額になっているので購入する意味がほぼないですが、日本正規品よりも安い時期も確かにありました。
こういったことも今は口コミで広がりますから、その時期にはストライダーの並行輸入品が多く売れたと聞いています。
ストライダーの並行輸入が不利なわけ
前項でお伝えしたように、ストライダーにおいて並行輸入品が多く出回っていたのは事実です。
しかし、並行輸入品はハッキリ言ってかなり条件が不利です。
その理由として、まずレースや大会などのイベントに、並行輸入品では参加できません。
日本正規品との違いは型番を見ればすぐに分かるので、会場でチェックされてしまえば参加は認められません。
また、日本正規品には2年間の保証期間があり、通常の使用で製品に問題が発生した場合は無償で修理、交換を行ってくれます。
しかし、並行輸入品は対象外ですので、何かあれば並行輸入の業者と交渉しなくてはなりません。
こういったこともあるので、ストライダーは日本正規品の購入が望ましいのですが、並行輸入品はどこでも持ち込めるので、正規販売店以外で販売されている可能性があります。
トイザらスのようなチェーン店が扱うとは考えにくいですが、口コミでの広がりによっては個人店などで扱われる可能性がありますので、十分に注意してください。
ストライダーとトイザらスAVIGOを口コミを参考に比較
最後に筆者の知り合いの話やユーザーさんの口コミから、ストライダーとトイザらスのAVIGOを比較してみましょう。
まず、これは口コミでもだいぶ広まっていますが、始めるならばなるべく早い時期がおすすめです。
多くのペダルなし自転車は5歳、6歳までを対象にする分、下限が3歳からになるのですが、ストライダーは2歳からになります。
これはコンパクトなサイズということもありますが、ストライダーはハンドルやサドルの高さ調節の幅が広いので、幅広い年齢に対応できるということです。
AVIGOにも2歳からのものはありますが、サイズが小さいのですぐに乗れなくなってしまう可能性があります。
次に価格ですが、これはAVIGOが圧倒的に安く、種類は多々ありますが、大体がストライダーの半値から1/3程度です。
何歳まで乗るかにもよりますが、早いお子さんですと3歳半くらいから普通の自転車に移行しているようなので、使用期間を考えるとより安価なものという選択もありですね。
ただし、これも多くの口コミで伝えられていますが、AVIGOはトイザらスということもあり、おもちゃ感が強いと言います。
見た目のことなので難しいですが、筆者もストライダーの方が自転車感が強いように思います。
目的のものを買うのに越したことはない!
口コミが大きな影響力を持っていることを考えると、ペダルなし自転車=ストライダーという認識が広まるのは怖いので、今回はそこを強調してお伝えしました。
勘違いをして購入するのに幸せなことは一つもなく、ストライダーが欲しいからストライダーを買うのに越したことはありません。
それはもちろん、AVIGOが欲しいからトイザらスに行くのも同じことであり、この記事がきっかけで勘違いが少なくなれば幸いです。