ストライダーは管理が厳しく販売店舗が限定されていますし、正規品はどこで購入しても同じ価格です。
そして、ストライダーは正式には「玩具」扱いですが、トイザらスなどの玩具店では販売をしていません。
少し疑問に感じますが、今回はこの件も含めて、ストライダーに代表される「ペダルなし自転車」について考えてみます。
ストライダー=ペダルなし自転車ではない
ストライダーは、「ペダルなし自転車」という乗りものカテゴリーのいち製品名です。
世界で販売台数が200万台を突破しており、そのコミュニティの大きさから、ペダルなし自転車=ストライダーとして認識されている感じです。
対象年齢が2歳からと低いので、三輪車と同じ時期にお子さんが乗るものですが、価格が少し高くなりますし、比べものにならないくらいアクティブです。
ストライダーの最終目的は、足を地面から完全に離し自立させながら走ることにありますので、目的は普通の自転車と同じです。
筆者が子供の頃は自転車に乗る前は三輪車に乗っていた記憶しかなく、定かではありませんがストライダーはなかったはずです。
だからこそ、自転車を補助輪なしで乗るのに大変苦労した覚えがあり、泣きながら練習していた覚えがあります。
しかし今は、ストライダーのようなペダルなし自転車を経験すると、自転車から補助輪を外す時期が圧倒的に早いというデータがあります。
そういったことからも、「親子そろって楽な時代になっているのだな」と感じさせられます。
ただし、ストライダーは冒頭でもお話したように「おもちゃ」であり、自転車ではありません。
代表的なおもちゃチェーン店である「トイザらス」で販売してそうなものですが、実際は販売していません。
トイザらスがストライダーを販売してないのは価格の影響もある?
前項ではストライダーはペダルなし自転車のいち製品であること、そして正式なジャンルは玩具であるとお伝えしました。
トイザらスには独自の子供用自転車ブランド「AVIGO」があり、そのブランド内にストライダーと同じペダルなし自転車も展開されています。
これがトイザらスがストライダーを取り扱っていない、最も大きな理由だと考えられます。
のちほど詳しく両者を比較してみますが、ストライダーと比べるとAVIGOの商品は、価格が圧倒的に低いです。
ストライダーは1万円以上しますが、AVIGOは4~5千円のゾーンが主流で、1万円以上の製品はありません。
ストライダー社はストライダーの専業メーカーですが、トイザらスはおもちゃ全般を扱う玩具店です。
これは筆者の個人的見解ですが、あくまでも「子供用玩具」としての扱いである以上、このくらいの範囲が妥当であるという、玩具店「トイザらス」の考え方が反映されているのだと思います。
ストライダーとトイザらスAVIGOの比較
トイザらスのペダルなし自転車「AVIGO」には、「トレーニングバイク」という肩書が付いています。
何のトレーニングだと言うならば、これは紛れもなく補助輪なしで自転車に乗るための練習ということです。
その意味ではストライダーと同じ目的であり、トイザらスも単なるおもちゃとは考えていないことが分かります。
両者は間違いなくライバル関係にあるわけですが、前項でお伝えした価格以外にも、どういった違いがあるのかを見てみましょう。
まず対象年齢ですが、ストライダーは2歳から、AVIGOは3歳からとなっています。
ストライダーは車体やタイヤの大きさはワンサイズですが、ハンドルやサドルの高さ調整の幅が大きいので、お子さんの成長に対応してくれます。
さらに、ペダルなし自転車では最軽量といってもよいほど軽いので、小さいお子さんが扱いやすいということも対象年齢が低い要因です。
一方、AVIGOはトイザらスは対象年齢を3歳からとしていますが、車体やタイヤサイズにバリエーションを持たせており、もう少し低い年齢でも対応可能に見えます。
しかし、ハンドルやサドルの可動範囲が狭いので、身体が成長するとサイズが合わなくなってくる可能性はあります。
また、ストライダーはブレーキが付いていませんが、AVIGOにはブレーキ付きのものもあります。
ストライダーは素材や機能以上にブランド力が価格に乗っている
前項でお話したストライダーとトイザらスの独自ブランドAVIGOとの違いでは、そこまで価格の差が大きくなる要素は感じられないはずです。
あれだけの価格差は、普通の自転車なら車体やパーツに使っている素材に大きな違いがあるということになりますが、ストライダーとAVIGOの差はそれだけではないでしょう。
ストライダーには購入から2年間の保証期間があり、通常の使用で故障や破損をした場合に、修理や部品交換を無償で行ってくれるというサービスがあります。
例えば、家電製品などではこの保証を製品価格に上乗せするのではなく、任意で別途販売店がオプションとして付けることが多いです。
それがストライダーは、製品価格に乗っているということです。
また、ストライダーは「ストライダー・カップ」などのレース大会や、練習イベントなどが全国規模で定期的に開催されています。
そういったコミュニティ力の高さもあり、ブランドイメージが作られて世界に200万人の愛用者を持つまでに成長しています。
このブランド力も当然ながら価格に乗っている部分であり、それがストライダーのコミュニティ力の強さに繋がっているのです。
ヘルメットなどの必須オプションを付けるために本体の価格を抑える手もある
ストライダーやAVIGOなどのペダルなし自転車は自立のできない二輪車ですから、転倒や制御不能になる可能性も考えてあげなくてはなりません。
足を地面に着けてちょこまかと歩くように進んでいる内はよいですが、慣れてくると思い切って地面を蹴って進むようになり、スピードが出る分危険性も高くなります。
そうなると安全対策が重要ですから、ヘルメットやプロテクターの装着が推奨されています。
少なくともヘルメットは大切なお子さんの頭を守るものですから、必ず被らせてあげたいものです。
また、専用の立て掛けスタンドや、持ち運び用のバックなどオプション品も揃えるとなると、その費用もばかになりません。
それならば、価格が低いトイザらスのAVIGOを選んで、オプションを充実させるという考え方も大いに「あり」なわけです。
トイザらスにはAVIGO購入前提で出向く
筆者の知り合いが以前にストライダー=ペダルなし自転車と思い込んでおり、他のものを購入して、あとからストライダーではなかったことを悔やんでいました。
理由は色々と聞きましたが、大人からすれば機能や乗り心地は実際に乗るものではなく、あくまでも基準はお子さんの感覚なので、はっきりとは分かりません。
しかし、ストライダーがよいと思えば、それはストライダーを購入することに越したことはありません。
何を言いたいのかというと、ストライダーはペダルなし自転車ではありません。
つまり、今回お話してきたトイザらスのAVIGOを、ストライダーだと思って購入することを避けて頂きたいということです。
価格やブレーキの有無などの明確な違いがありますから、最初からAVIGOならAVIGO、ストライダーならストライダーと決めて購入することをおすすめします。
ペダルなし自転車は何を重視するかで選ぶものが変わる
今回はペダルなし自転車についてお話しましました。
強調させて頂いたように、ストライダー=ペダルなし自転車ではないということから、トイザらスではストライダーの取り扱いはありません。
ただし、トイザらスのAVIGOも仕様や自転車へのステップという目的はストライダーと同じであり、ブランド力やコミュニティ力を気にしないのであれば、価格が安いのはとても魅力に感じます。