ロードバイクの人気が高まっていますが、長く続けられずにやめてしまう人もいます。
また、初めて乗る人は、前傾姿勢に苦労する人が多く、腰を痛めてしまう人もいるのは事実でしょう。
原因の多くは、ポジションが適正でないために、身体への負担が大きくなってしまっていることにあります。
前傾姿勢に大きく影響する、ステムの長さを適正なものに交換することで、身体へ負担が改善されるのでステムを選ぶ際は自分の身体、目的などを考慮して慎重に選びましょう。
ポジションを適正にするために最初に調整するのは?
ロードバイクは外国メーカーのものが主流となっており、基本的に体格の大きい欧米人向けに設計されています。
体格が小さい日本人はポジションをしっかり調整しないまま乗っていると、漕ぐ力が正確に自転車に伝わらずスピードが出ません。
また、乗っていて非常にツラく疲れやすくなり、ひどくなれば腰などを痛めてしまうことさえあります。
そのため、ロードバイクのポジション調整は必須です。
ポジションの調整というと、まずサドルの調整が思いつく人が多いでしょう。
サドルを適正な位置にすることにより、漕ぐ力をロス無く正確にロードバイクに伝えられます。
そして、同じ距離を走ってもより速く、疲れにくくなります。
サドルの高さによって姿勢も変わってきますが、姿勢を優先に考えてサドルの高さを調整するとペダルへの力がうまく伝わらなくなってしまいます。
そのため、姿勢はステムの長さを調整することで変えた方がいいでしょう。
ステムの長さが適正かどうかの絶対的な正解は無い!
自転車における姿勢はこれが正解だというものはありません。
前傾姿勢もスピードを求める人はより深い前傾姿勢の方がいいですし、山道を中心に走りたい人は浅い方がいいでしょう。
また、初心者は前傾姿勢を保つために必要な腹筋や背筋などの体幹が弱いため、前傾姿勢を保つのは大変です。
最初から前傾を深くして乗っていくうちに鍛えられていきますが、辛い思いをしていると嫌になってやめてしまう人もいます。
まずは前傾を浅くして、慣れてきたら深くしていくという方がいいかもしれませんね。
ダイエットが目的であれば、長距離を走った方が効果的なので、疲れにくいように前傾は浅くした方がいいでしょう。
要するに、姿勢というものは人それぞれなので、自分に合った姿勢で乗ることが大切ということです。
そして、自分に合った姿勢にするためには、ステムの長さを適正にすることが必要となります。
完成車のロードバイクのステムの長さは適正か?
ロードバイクは高価なものになってくると、フレームのみで販売されていることもあります。
こういったロードバイクを購入したら、自分でステムを選ぶ必要があります。
ただ、初心者は全てセットとなっている完成車として購入することがほとんどでしょう。
しかし、最初からついているステムの長さは乗る人にとって適正でしょうか?
メーカーは、フレームに合った平均的なサイズのステムを取り付けています。
そのため、身長に比べて腕がよほど長い人でなければ、問題の無い長さです。
このことから、基本的には交換する必要はありません。
ただ、体力に自信が無い人は、少し短いステムに交換した方が前傾が浅くなって楽になり、長時間乗りやすくなります。
乗っているうちに体幹が鍛えられて前傾姿勢を保てるようになったら、元のステムに交換するといいでしょう。
適正な長さのステムの選び方
ステムは長い方がいいのか、短い方がいいのかを大雑把にご説明しましたが、選ぶ時はどうしたらいいでしょう。
実際にロードバイクに跨がり、ハンドルを握って確かめるのが一番確実です。
まず、自分が取りたい姿勢を取ります。
クランクを2時の位置にした状態でペダルに足を載せ、腕が伸びきらずに余裕を持って握った状態で膝と肘の離れ具合をチェックしましょう。
この時、初心者は自分に適した姿勢を自分で判断するのは難しいので、お店の人にアドバイスして貰うのが一番です。
ステムは様々なメーカーから発売されています。
長さは35㎜から130㎜位まで、かなり幅広く売られていますが、短すぎるとハンドルを少し切っただけでステアリングの切れ角が大きくなってしまい、ハンドリングが安定しなくなってしまいます。
短くしたい場合でも、80㎜までにしたほうがよさそうです。
それより短くしたい場合は、ハンドルバーを交換することで解決出来ます。
ハンドルの横バーから前への突き出し部分の長さ(リーチ)も、70㎜から120㎜位まで売られています。
ステムとハンドルバーのリーチを合わせて、自分にとって適正な長さにしましょう。
ステム交換する際の落とし穴!
ステムを買う際にサイズをチェックしておきましょう。
・長さ
この記事の主題ともなっているハンドルまでの距離です。
・ステムアングル
ステムの角度です。
+(プラス)表示なら上向きになり、ハンドルの位置を高くし、-(マイナス)表示ならハンドルの位置を低くなります。
・ハンドルクランプ径
ハンドルバーと結合するための穴の直径です。
これが合っていなければハンドルバーに結合出来ません。
・コラムクランプ径
フロントフォークと結合するための穴の直径です。
・コラムハイト
フロントフォークと結合する部分の高さです。
ステムを交換する際に、長さは一番にチェックするのは当然ですね。
そもそも、ステムの長さを適正にすることが交換の主目的です。
ステムアングルは長さと合わせて高さによって、ハンドルまでの距離を変えてくれますので、長さと合わせてチェックしておくべきでしょう。
二つのクランプ径は、そもそも合っていなければ結合出来ないので、誰もがチェックします。
そして、ステムを交換しようとして失敗する落とし穴となるのがコラムハイトです。
交換後のコラムハイトのサイズが短い場合は、コラムスペーサーを使ってサイズを合わせます。
しかし、交換後のコラムハイトのサイズが長いと交換出来なくなることがあります。
必ず、コラムハイトのサイズをチェックしましょう。
前のものと同じコラムハイトのものを買うのが一番安全です。
ステム交換への障壁はお高いこと?
ロードバイクのポジション調整と聞いて最初に思い浮かぶのは、サドルの調整でしょう。
ママチャリに乗っているという方でも、ほとんどが調整した経験を持っています。
また、お手軽に出来るということあるでしょう。
そして何より、既についているものを高さや前後に動かすだけなので無料です。
それに対して、ステムの交換は部品を丸ごと交換することになり、購入しなければなりません。
このお金がかかるという点が大きな心理的障壁となっているのではないでしょうか?
しかし、ステムの長さを適正にすることによる効果は、非常に大きいものです。
自分に合わないポジションのまま乗っていると疲れやすく、腰や肩などが痛くなってしまいます。
健康のためにロードバイクを始める人には、本末転倒になってしまいます。
当然、長距離など乗っていられませんし、乗っていても楽しくありません。
ステムを交換することで、楽しく長く乗っていられるなら安いものと思いませんか?
適正な長さのステムにすることで楽しく快適な自転車ライフを!
せっかく高性能なロードバイクを購入しても適正なポジションで乗らないとスピードも出ないし疲れやすくなってしまい、楽しめません。
身体を痛める原因ともなってしまいます。
ステムを適正な長さにして最適なポジションを作ることで、ロードバイクはより速く、より快適になります。
せっかくのロードバイクをもっともっと楽しみましょう!