アンカーの「RL8 EQUIPE」!ヒルクライムの実力はいかに?

アンカーのロングライド向きのロードバイク「RL8 EQUIPE」は、手ごろな価格でありながら優秀な性能を持つカーボンロードバイクです。

そのため、最初の1台目として、候補に挙げる方も多いと思われますが、その時に気になるのがヒルクライム性能です。

なぜなら、ヒルクライムでは平地以上にロードバイクの走りの軽さが重要になるからです。

そこで、この記事では「RL8 EQUIPE」のヒルクライム性能を検討します。

アンカーのロングライド向けロードバイク「RL8 EQUIPE」のスペック

この記事では、アンカーの「RL8 EQUIPE」について、完成車状態でのヒルクライムの能力について検討します。

その前に、まずは「RL8 EQUIPE」の基本的な性能をお話しします。

「RL8 EQUIPE」は、ロングライド向けのジオメトリーで設計されたカーボンロードバイクです。

「RL8 EQUIPE」のフレームには、PROFORMATという方法によって設計されています。

PROFORMATでは、ロードバイクに関わる様々な要素や、人間の感覚を数値に落とし込み、それをもとに理想の形状を導き出し、フレームの設計にフィードバックを行います。

その結果、ペダルを踏んだ力が無駄なく前に進む力へと変換されます。

また、RLシリーズは、しなやかな乗り心地と適度な反発感を重視して設計されたため、ロードバイクとしてバランスのよい仕上がりです。

「RL8 EQUIPE」は、メインコンポーネントに105を使用し、ホイールには耐久性の優れる シマノWH-RS100がアッセンブルされています。

完成車の販売価格は、255,000円です。

アンカーの「RL8 EQUIPE」に付属するホイールはヒルクライムに不向き?

アンカーの「RL8 EQUIPE」のスペックの説明が終わったところで、本題のヒルクライム性能の検討へと移ります。

まずは、ヒルクライムにおいて、フレームやコンポーネントよりも重要な、ホイールに着目します。

一般的に、前後ペアの重量が1500g以下のホイールは、ヒルクライムに有利な軽量ホイールとされています。

「RL8 EQUIPE」にアッセンブルされるホイールは、先述の通りシマノWH-RS100です。

このWH-RS100は、前後ペアの重量は1897gであり、かなり重たい部類のホイールと言えます。

そのため、快適にヒルクライムを楽しむためには、このホイールの重量を克服する必要があります。

予算が許すのであれば、完成車に付属するホイールを、FULCRUM RACING3へと変更したいところですが、それにはアップチャージとして68,000円もかかります。

そのため、現実的には、ギアをより軽いものに交換する、軽量タイヤを使用するといった対策を講じることになるでしょう。

アンカーの「RL8 EQUIPE」のタイヤは高印象!しかしヒルクライムにはもう一声!

ホイールに続いて、アンカーの「RL8 EQUIPE」に付属するタイヤに着目します。

標準で付属するタイヤは、ブリヂストンのエクステンザ RR-2Xです。

このタイヤは、耐久性や転がり性能やグリップといった、性能のバランスが自慢です。

重量も230gと超軽量とは言えませんが、タイヤの耐久性を考慮すれば満足できるレベルであり、ヒルクライム性能にも不満はないでしょう。

また、「RL8 EQUIPE」は、完成車に付属するタイヤをエクステンザ ビゴーレへと変更が可能です。

この変更には、アップチャージは必要ありません。

エクステンザ ビゴーレは、タイヤの重量は215gとエクステンザ RR-2Xよりも15gも軽量です。

ロードバイクでは、ホイールの外側にあるパーツの重量が走りに大きく影響するため、タイヤの15gの軽量化であっても多少なりとも効果は期待できます。

しかし、やはり15gの差ですので、「走りで体感できるのか」というとそうではないでしょう。

ただし、ヒルクライムをメインにし、今後レースを目的とし、「少しでも軽くしたい、速くしたい」と思う方にはエクステンザ ビゴーレへの変更をおすすめします。

標準付属品のギア比はヒルクライムには重い!

この章では、アンカーの「RL8 EQUIPE」に付属する、スプロケットやチェーンリングのギア比は、ヒルクライムにとって最適なのかについて考えます。

アンカーの「RL8 EQUIPE」のフロントギアには、52/36Tのチェーンリングが採用されています。

それに対して、後輪のスプロケットは11-25Tです。

フロントとリアのギアの組み合わせで、もっとも軽いものは36T×25Tですが、このギア比はヒルクライムにとっては重いギア比だと言えます。

このギア比は、ある程度の脚力がある方にとっては問題とならないでしょう。

しかし、初心者の方や脚力にあまり自信のない方にとっては、もう少し軽いギアが望ましいでしょう。

幸い、「RL8 EQUIPE」は購入時にギアの変更がアップチャージなしで可能です。

ヒルクライムに最適なギア比を望む方は、11-28Tのスプロケットへの変更をおすすめします。

なお、同時にコンパクトクランクへと変更をすることにより、34T×28Tの組み合わせが可能で、このギア比であれば並大抵の峠は足つきなしで登れます。

しかし、変速性能は若干劣るので注意が必要です。

アンカーの「RL8 EQUIPE」のフレームはマイペース走法で活きる!

この章では、アンカーの「RL8 EQUIPE」のヒルクライム性能を、フレームの観点から分析します。

ヒルクライムで気になるのはフレームの重量ですが、「RL8 EQUIPE」はサイズ48のフレームセットで1,540gです。

この重量は、軽量カーボンフレームには一歩およびませんが、アルミフレームよりも大幅に軽量であるため、ヒルクライムで重量は問題にならないでしょう。

続いて、フレームのジオメトリーに注目します。

「RL8 EQUIPE」は、ヘッドチューブ長がやや長めに設計されています。

これにより、上体がやや起きた姿勢になるため、ヒルクライム時には楽に呼吸ができます。

「RL8 EQUIPE」のホイールベースも、やや長めの設計です。

そのため、ダンシングを主体とした、キビキビとしたヒルクライム走行には向きませんが、シッティング主体でマイペースに登るようなヒルクライムには、その安定感が活きてきます。

最初の章で述べたフレームの特性やジオメトリーから考えると、「RL8 EQUIPE」は、少し重めのギアを使い、マイペースで登るようなヒルクライムに適していると言えます。

アンカーの「RL8 EQUIPE」をよりヒルクライム仕様にするには?

最後の章では、アンカーの「RL8 EQUIPE」をよりヒルクライム向きにするには、どのようにカスタマイズしたらよいのかについて考えます。

予算が許すならば、まずはホイールを軽量ホイールに交換するのが一番効果的です。

前述していますが、付属のホイールをFULCRUM RACING3へ変更するとなると、68,000円のアップチャージが必要です。

しかし、やはりホイールの軽量化はヒルクライムに大きく貢献します。

ただし、ホイールの交換をせずとも、タイヤを軽量なものに交換するだけでも十分に効果が得られます。

「RL8 EQUIPE」に付属するタイヤは25Cの太さですが、フレーム自体の振動吸収性が高いため、そこまで太さにこだわらなくても問題ないでしょう。

そこで、23Cくらいのやや細いタイヤを使用すれば、タイヤの重量を削減できるためヒルクライム時に有利です。

それに合わせ、軽量チューブを使用すればより走りが軽くなります。

その他、付属のシートポストから、カーボン製のシートポストへと交換すれば、ダンシング時の振りが軽くなり、なおかつ振動吸収性も向上します。

足回りの軽量化によって「RL8 EQUIPE」の本来の実力が発揮される

この記事では、「RL8 EQUIPE」のヒルクライム性能を検討し、それを向上させるためのカスタマイズポイントをお話ししました。

「RL8 EQUIPE」の完成車は、フレームやパーツは満足できるレベルですが、付属するホイールの重量がネックであると言えます。

そのため、ヒルクライム性能を考えた場合、まずはホイールやタイヤ等の足回りの軽量化をおすすめします。