ロードレースのルール背景とフレーム素材や加工の可能性

ロードレースに使われる自転車のフレームは、皆同じ形ですが、それはなぜなのでしょうか。

ロードレースなどで、フレーム規制が始まった背景と併せてご紹介します。

そして今回は、新しいフレーム素材や加工技術の発展による、今後のフレームの可能性についてもお伝えしていますので、参考までに読んでみてください。

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自転車に最もよく使われるフレームとその特徴

自転車はフレームの形状で、その印象が大きく変わります。

もちろん、ハンドルやホイールの形状、タイヤの大きさの違いもありますが、自転車の性質や用途は主に、フレームによって決まってきます。

フレームの形で多いのは、三角形が2つ合わさったダイヤモンド型フレームで、普段からよく見かけますね。

レースに使われるロードバイクから実用車まで、多くの自転車に、このフレームが使われています。

長い間の試行錯誤と市場で淘汰されたことで、今の形になったのですが、なぜこの形なのでしょうか。

それは、三角形を使うことで強度を高めることが可能なうえ、シンプルなので軽くしやすいということが関係しています。

ほかにも、生産しやすいというメリットもあります。
金属パイプを溶接して作るのですが、その際に加工がしやすく、無駄のない形なのです。

そして、ダイヤモンドフレームにも種類があります。

1.ホリゾンタルフレーム
トップチューブが水平になっているもの

2.スローピングフレーム
トップチューブが傾いているもの

これら2つのフレームは、つぶれた菱形をしていますが、どちらもダイヤモンド型フレームです。

ロードレースで自転車のフレームが規制されたのはなぜ?

ロードレースなどの自転車競技では、マシンや服装について様々なルールがあります。

ブレーキのルールが厳しいのは、よく知られていますが、フレームにもルールがあります。

タイムトライアルを除く、集団スタートのロードレースとシクロクロス競技では、伝統的な「ダイヤモンド型フレーム」以外のフレームは禁止されています。

このルールができた背景には、「史上最強のアマチュア」と呼ばれた異端児の存在があります。

1時間で走れる距離を競う「アワーレコード」というトラック競技で、空気抵抗を大幅に減らす独特なフォームで走ったグレアム・オブリーというイギリスの選手がいました。

彼はアマチュアでしたが、自ら作った自転車で競技に参加し、1993年と94年には、1時間で51.115kmを走って記録を更新しました。

子供用の自転車を加工(改造)し、壊れた洗濯機のベアリングなどを使って作った自転車だったそうで、フレームもダイヤモンド型ではなかったそうです。

アマチュアの彼が、独特なフォームとフレームでプロの記録を塗り替えてしまったために、UCI(国際自転車競技連合)によってルールが改正され、「フレームはダイヤモンド型」と規制されました。

以前はレースで特殊な加工をしたフレームが使えた?

フレームの形が規制される以前の1990年代は、様々な形のフレームが実際のレースでも使われていました。

少数ですが、メーカーも開発に着手していたと言われています。

そして、最新の特殊フレームを使った選手が次々と、「アワーレコード」の記録を更新していったのです。

1996年9月6日、ボードマンがLOTUSの特殊フレーム出した、56.375kmの記録は、現在でも最高となっています。

ただ、今は特殊加工をしたフレームを使うと違反となるので、正式記録としては認められていません。

フレームの進化を認めてしまうと、開発競争がさらに激しくなり、資金が少ない小さな工房がなくなってしまうというのがUCIの考えです。

ヨーロッパには、小さくても真面目にフレームを手作りしている工房が多くあります。
規制は、自転車界を支えている工房を守るためだったのですね。

ですが、新たな製品を開発することや、技術革新を妨げるという自転車メーカーからの懸念の声を受け、こうしたルールは、少しずつ緩められていくようです。

一方で、伝統的な自転車と競技の形を守るために規制は必要という考え方もあるので、「伝統的な自転車競技の形」と「新たな製品開発」のせめぎ合いは、今後も続いていくでしょう。

レースにも使われるダイヤモンド型フレームはどう加工されているの?

前述したように、ロードレースなどでは、UCIの規則でダイヤモンド型以外のフレームは使用禁止となっています。

では、そのダイヤモンド型フレームは、どのように加工されているのでしょうか。

ダイヤモンド型フレームは、トップ・ヘッド・ダウン・シートの4つのチューブと、左右それぞれ一対ずつあるシートステー、チェーンステーを組み合わせて作ります。

ダウンチューブ・シートチューブ・チェーンステーは、その交点のボトムブラケットシェルでつなぎますが、このパイプ部分は、接着や溶接加工でつなぎます。

パイプの材質によって異なりますが、主にクロモリ・カーボン・木製のフレームはラグで接着させ、スチール(MTBや安価なシティサイクル)・アルミ・チタン・マグネシウムなどは溶接することが多いです。

接着は低温での作業なので、熱の影響が少なく大きな設備は不要で、材質が異なっても、しっかりつなげられます。

ただし、直接母材同士をつなぎ合せる溶接に比べて、工程が多いこととコストがかかるのがデメリットです。

また、溶接ではこのメリット・デメリットが逆になります。

クロモリフレームを自作する人たちもいる!

お伝えしたように、ロードレースには、強度や空力のバランスが良く安全なダイヤモンド型フレームが最適です。

しかし、アマチュアレースやサイクルイベントなど趣味として乗る場合には、フレームの形を含めてどんな自転車でも大丈夫です。

実は、西日本を拠点に活動する自転車愛好家集団の中には、自分たちの手で加工(溶接~塗装まで)した「自作フレーム」で、色々なサイクリングイベントに参加している集団もあります。

そこに所属するメンバーは、フレームは自転車店で購入するのが当たり前という流れの中で、フレームビルダーのようにクロモリフレームをパイプから手作りし、その自転車でイベントに出ています。

メンバーに女性が多いのも特徴です。

女性に加工は難しいのではと思いがちですが、クロモリフレームは鉄が材料のため、アルミやカーボンに比べて加工しやすいですし、女性の方が丁寧に作れるのだそうですよ。

金属加工や接着・溶接を素人がするのは手間がかかりますし、失敗した場合は追加の費用も発生します。

ですが、メンバーの「自分でロードバイクを作りたい」という強い気持ちが、自作フレームのロードバイクでサイクリングを楽しむという夢を実現させました。

素材や加工技術の進歩でフレームが変わる可能性がある!

部分的にデザインで特徴を出すことはあっても、これ以上は変わらないという印象の自転車のフレームですが、その形が変わる可能性も出てきています。

その理由は、ダイヤモンドフレームに行き着いた背景にある、金属パイプを使うという前提が崩れ始めているからです。

現在は素材や技術が飛躍的に進歩しているので、一部の自転車には、カーボンなどの樹脂系の素材が多く使われるようになってきました。

また、これまではパイプ型の材料をつなぎ合わせる加工をしていましたが、一体成型もできるようになってきています。

そうなると、金属と比べて軽く、強度も高いので、ダイヤモンドフレームにする必要はありません。
レースにおいても、強度と軽量化が十分なら、違う形でもいいはずです。

実際に、メーカーがシートチューブを省略し、曲線的なモデルを作った例もあります。
例えば、サイクルイベントに登場するCANYONやキャノンデールのコンセプトロードバイクなどがそうで、とても面白いフレームの形をしています。

特殊な形なので、作るのにお金と時間がかかり、現時点では販売されないのがとても残念ですが、チューブ型にしたり直線や三角形にする必要がなくなれば、このように自転車自体のデザインの幅が広がります。

素材の価格の問題もありますが、新たに参入するメーカーから斬新なデザインの自転車が出るかもしれませんね。

自転車のフレームには大きな可能性がある!

今回は、自転車のフレームについてお伝えしました。

ダイヤモンド型フレームが多い理由や、ロードレースでそれ以外が禁止となった背景が分かりましたね。

新しい素材や加工の技術も出てきているので、これから先、自転車のフレームが変わるかもしれないと思うと、自転車のデザインがどうなるのかも楽しみになりますね!